STEELSERIESから3月に発売されたPC向けゲーミングスピーカーのARENA9を買ってみました。
元々はもっと安めの物、ただ音を出すためのスピーカーを探していたのですが、スピーカーはあまり買い換えることもなく、一回買ってしまったら数年〜数十年はそのまま使い続けるだろうと思いましたので、せっかくなので良いものを!ということで買いました。
スピーカー、もとい音へのこだわりというものがそこまでなく、あまり良いスピーカーを買ったことがない素人目線からですが、ちょっとしたレビューをしてみたいと思います。
STEELSERIES ARENA
ARENA9はSTEELSERIESから発売されたPC向けの業界初となる5.1chゲーミングスピーカーです。
ARENAは全部で3種類、ARENA3・ARENA7・ARENA9があります。
下位モデルのARENA3は2chのスピーカー、ARENA7はサブウーハーが追加された2.1ch、そこからさらにリア+センタースピーカーが追加されたARENA9になります。
同梱物
ARENA9には5個のスピーカーと本体の役割を果たすサブウーハー。それとディスプレイ付きのコントローラーが付属しております。
あとはこれの他に説明書とPC接続用のUSBケーブルと電源ケーブルが2つ、その国に対応したコンセント部分(リアスピーカー用)が1つ入っています。
箱から出した直後の写真。奥に見えるのが複合プリンターですが、それと同じような大きさのスピーカーだというのがわかるかと思います。
手前右下のスピーカーと白くなってるところはLEDによる光の投射がされる部分です。コントローラーでライティングも変更可能です。
対応する端子
まずは基本となるPC用のUSBケーブル。ARENA側はタイプC端子でPC側にタイプA端子がくるようになっております。
それの他に3.5mmプラグ用にAUXが1つ。光端子1つ、Bluetoothによる無線接続が1つの4種類の接続方式があります。
Bluetooth接続以外はサブウーハーの後ろ側にある対応した端子に接続することになります。
外見
ARENA9のサブウーハーです。奥のがミドルタワーのPCケースです大体2/3くらいの大きさです。高さは32cmほど。
昔もっと細いサブウーハーを持っていましたが単体でここまで大きいのは初めてです。
サブウーハー下部に大きなスピーカーがありここで低音を出力しています。
背面はスピーカーやコントローラーを接続するための本体的な役割をしています。
余談ですがARENA9のサブウーハーは200wの電源、ARENA7は150wと表記されています。
メインスピーカーです。スピーカー中央のSTEELSERIESのロゴが入っております。
19.5cmほどの高さがあります。モニターの下に入れるには少々大きいですね。
LEDは結構な光量がありますが、拡散させるタイプのためそこまでの眩しさはありません。
真っ暗の部屋でも間接照明程度の光しかないので映画を見てても気になることはありませんが、いらない場合はオフにすることもできます。
ちなみにスタンド部分も光っておりますが、見ていたところここの部分だけ違う色に変わっていたりしたので上と下で光方を変えることもできるかもしれません。
リアスピーカーはメインスピーカーのLEDが無くなったタイプの物ですね。(ARENA3と同じ?)
リアスピーカーの裏側。
リアスピーカーはサブウーハーに無線接続します。そのために他のスピーカーとは切り離しての設置が簡単にできる上に足元のコードを機にする必要はありません。
代わりにリアスピーカー同士の接続は必要になり、そのための本体的な役割をしているのが「R」側のリアスピーカーになります。
ちなみにこちら側に電源ケーブルも接続します。
真ん中にある金色のネジ穴はカメラ等の三脚に用いられる一般的な規格のネジ穴になっているため、それらを用いて壁に取り付けすることも可能です。
USB-C端子も見えますが使いません。アップデート用?
リアスピーカーは出荷時にすでにペアリングされているため、新しく本体とのペアリングは不要です。箱だしでそのまま使えるのは嬉しいですね。
センタースピーカーです。
ほとんとNintendo Switchと横幅は変わりません。
高さは10cmほど。若干上に傾くように設計されているので奥行きも10cmほどになっております。
ディスプレイ付きコントローラーです。
タッチディスプレイではなく、ディスプレイ周りの外装を回すことで音量調整等おこないます。
回転部分はシリコンでできているので滑りづらくなっております。(かわりに埃がつきやすい)
画面下部の○にて設定の変更、決定をします。上部の<が戻る・キャンセルボタンです。
ここから音量、イコライザー設定やライティング、接続してある端子ごとの出力音量を変更できます。
また、画面の音量調整(デフォルト)画面の時に<ボタンを1回タッチすることでミュートにもなります。
ARENA9を使っている最中にヘッドホンを使用したくなった場合はこのコントローラーにヘッドホンジャック(3.5mm)がありますのでこちらに差し込みます。
消費電力
メーカーの仕様では書かれておりませんが、ARENA9はワブウーハーに200wと表記があります。
ですので最大消費電力は200wまでかと思われます。
しかし実際の消費電力を測ってみたところ、普段音楽を聴く時の音量にした場合(2ch)でも5〜7wほど、リアスピーカーも入れて5.1chで聴いても10wほどでした。
案外消費電力は少ないですね。
音質
本題です。
結論から言わせてもらいますと、ARENA9の音質はPCスピーカーとしては最高レベルの音質になるかと思います。
初めて高級ヘッドホンで音楽を聴いた時の用な解像度の高い音を鳴らしてくれます。
メインスピーカーからは細かい中〜高音域の音を鳴らし、サブウーハーで低音の弦のブレる音や太鼓の破裂音を鳴らしてくれます。
ただ低い音を鳴らすだけではなく、スピーカーの中高音の出だしに質感を上乗せしてくるサブウーハーの音には感動しました。
まるで実際に楽器を弾いているかのような、そんな音を作り出してくれるのがARENA9です。
特に太鼓の叩いたときの音の作り方はとても素晴らしい。
おそらくはFPSなどで銃の発砲音を正確に表現するために設定してあるために起こった副産物の様に感じました。
重低音の部屋中に鳴り響くような音はありませんが、一瞬で吹き抜けてくる音の圧の様なものが飛び出してくるので驚きます。
映画においても流石の5.1ch。雨のシーンなんかは実際に雨の中にいるかのような錯覚すら出てきて素晴らしい映像体験をさせてくれます。
ゲームも同じく、実際にレース場にいるかのような臨場感を作り出してくれる素晴らしいスピーカーでした。
個人的には大満足の製品です。
ちなみに重低音はサブウーハーにつまみのボリュームがありますのでそこを回して調整します。
ARENA9のスピーカーからホワイトノイズが出る場合は、ケーブルがサブウーハーにちゃんと刺さっていません。ギュッと奥まで押し込んであげるとクリアな音が流れます。
音質の比較対象としては普段使っているJBLのQUANTUM DUOと聴き比べた感じをお伝えしております。
JBL QUANTUM DUOも若干使用に癖はありますが良い音を鳴らす良いスピーカーです。
これにミックスアンプで音を調整してあげればPCスピーカーとしては十分な音を提供してくれます。
悪いところ
良いことばかり書いてきましたが、もちろん悪いところもそこそこあります。
まずは海外でも言われています、値段が高い。
これはもう仕方がありません。普通に買うと8万円もかかります。
Amazonや公式の10%オフクーポンを使っても7万2千円です。スピーカーを買うだけでこの価格です。音質だけで言ったらこれより少しやすい高級ヘッドホンの中級機を買った方が幸せになれると思います。
次に、ほとんど音を知らない場合での箱出しの音が非常に軽く感じる、です。
安いスピーカーに慣れている場合、音の解像度の良さに気づく前に音がスカスカしているように感じました。
迫力がないというか、音に低音が無いというか、何か抜けが良すぎて良いのかどうかわからなくなります。
実際箱だしで聴いたときは「8万円でこんなものなの…?」と思いました。
良くも悪くもフラットな音質なのかもしれませんね。(イコライザーで弄るので当たり魔といえば当たり前か)
あとはある程度してからじゃないとしっかりとした音が出ないのも影響してるかもしれませんね。
映画等で低音バンバン鳴らしたあとは音が変わったのでエイジングは必須なような気がします。
また、スピーカーは中〜高音、サブウーハーは低音とハッキリ分けて音を作ってるので自分好みに合わせられないと不満を覚えるかもしれません。
低音もMAXまで上げてもそこまで響くような低音が出ないのでドンドンと響くような音が好きな人には向かないかと思います。
5.1chスピーカーはあるならあった方が良い、けど別に2.1chあれば十分。
音楽を聴くだけなら2.1chあれば最高な空間を作り出せることでしょう。
価格も半分のARENA7がありますし、正直ARENA9がオススメかと言われるとオススメはしません。
小型で、そして小さな部屋で最高のオーディオ空間を作りたい場合にはうってつけですが、5.1chスピーカーが欲しいだけでしたら他のもっと安いスピーカーを買った方がいいでしょう。
何か特別な理由があるわけではないのなら他のスピーカーやARENA7といったスピーカーの方が圧倒的に良いです。
そして思ってた以上に音量が小さい、です。
これは箱出しで使い始めた時にも思ったことなのですが、一般的なスピーカーと比べて音量が小さい気がします。
普段WALKMANから有線接続して音楽を聴いているのですが、今まで使っていたJBLのQUANTUM DUOと比べたらまったくでていない感じがします。
QUANTUM DUOは最大消費電力20wくらいですのでそこまでの音量、といっても部屋で聴く分には十分の音量が出せますが、ARENA9は10倍の電力を使えるようにされているにもかかわらずWALKMANの音量を最大まで上げないと大きい音で鳴らせられないのです。
おそらくはイコライザーでそれぞれの音域での音量を調整して自分好みに仕上げられるように余裕を持たせているのだと思いますが、それにしては小さすぎる気がします。
実際「低音が鳴ってない、壊れている」みたいなレビューも見かけましたが、これは本当に一回同じようなことも思ったのでもうちょっとうまい感じに調整できなかったのかな?とは思います。
意外と大きく、場所をとる。
サブウーハーはミニタワーのパソコンみたいな大きさをしている上に、そこにスピーカーが5つもついてきます。
置き場所が無い場合はまず部屋の片付けから、それでもないならそもそも置けないのでやめた方がいいでしょう。
ちなみに箱に入った状態で約15kgありますので邪魔な上に重いので大変なことになります。
まとめ
置く場所があり、金額の問題も無く、PCスピーカーに最高の音質を求める場合、今あるPCスピーカーの中でしたらSTEELSERIAS ARENA9は最適解となることでしょう。
それほど文句がない万能なスピーカーです。
イラスト作業中は「音楽聴ければいいや〜」と思ってましたが、ARENA9を買ってからは良い音で耳でも楽しみながら描きたいのでよく使用しております。
音楽を聴くにしても、5.1chで環境音を流すにしても音を楽しみながら作業をすることができるので気分よく仕事することができるようになりました。
イラストの作業は思っている以上に精神からの影響が強いので、少しでも良い気分になっている方が筆もノリ、結果として良い作品を作る礎にもなります。
作業環境をどんどんアップデートしていき、皆さんも沢山の素晴らしいイラストや作品を生み出してくれると嬉しいですね!