
クリップスタジオを使用中に定期的にプチフリーズ(プチフリ)が起きる問題を解決すべく、さまざまなことをやりました。結論としてはプチフリーズは必ず起きるが、これについては体感するかしないかの問題、および描き込み量の問題であると判断しました。
以下にプチフリーズの解決のためにおこなったことを記録しておきます。
プチフリーズ解消のためにやったこと
まずはプチフリが定期的に起きていた端末についてのスペック等。
CPU | AMD Ryzen9 7950x |
マザーボード | MSI PRO X670-P WIFI |
メモリ | Corsair DDR5-5600 64GB |
GPU | AMD Radeon RX 6700 XT(ビデオメモリ12GB) |
ストレージ | WD Black SN770 1TB SSD PCIe Gen4 M.2-2280 |
ツクモで購入したBTOパソコンを元に中身をAM4からAM5に移行した自作PCとなっております。2023年時点では最高性能のCPUであるRyzen 7950xを導入し、それに合わせてメモリの方も64GBモデルを使用することにしました。こちらはアニメを作る上で32GBではスペックが不足していると実感したために後から交換したものになります。
SSDの方がゲーム向けに作られている高品質なもの、ただし読み込み速度も描き込み速度も必要十分なものでそこまで速いものでもありません。
グラフィックボード(GPU)はBTOに元から組み込まれていたSapphireのRX7600XTをそのまま入れてあります。クリスタを使う上で一番重要になるのがCPUで、グラフィックボードはモニターへの出力に使用する程度なので、モニターの大きさによって選んでも問題ありません。僕は4Kモニターを2枚使っているので、そこそこスペックの良いものを使用しております。
そして解消のためにやったことはこんな感じ
- メモリ交換
- ネット接続を切ってオフラインで作業
- エラー時に反応していたUSBポートの停止
- マザーボード交換
- クリスタの自動保存停止
メモリの交換

パソコンを使用していると、徐々にプチフリーズが増えていき、さらにはモニターに接続されているUSBが全部使用不可になる不具合。そしてそれが起きると必ず電源を切るときにブルースクリーンによるエラーからの強制終了になります。もはやクリスタ以前にPCの問題になっております。そしてこれは上記に記載したコルセアのメモリに交換してから起こるようになりました。
しかし、たまに起きる程度だったのでそのままにしていた所、2〜3日に1回は必ず起こるくらいには頻発するようになってしまったため、急遽安定していた昔の32Bのメモリに戻しました。だが時すでに遅く、交換しても上記んもエラ〜は止まることはありませんでした。
ネット接続を切り、オフラインでの作業
クリスタのQ&Aでもプチフリ問題があるのは知っていたので色々とみてみました。その中「でネットに接続している時に起きる」というのを見かけたのでそれを試してみました。多少減った気はするものの、結局はプチフリが起きてしまうために根本的な解決にはならず、結局また原因を探す羽目になります。
PCの動きを監視し、エラーのタイミングで起こることを割り出す

CPUやメモリの動きを観測し、その都度エラーを起こすタイミングでUSBの接続でエラーが起きている状態を確認。
見てみるとWacomの液タブについているSDカードスロットが反応していることが判明、なのでこちらを停止してみました。するとプチフリの回数は減ったものの、それでも完全に解消できたわけでもなく煩わしいままでした。そこでマザーボードについて調べてみたところ、海外の掲示板ではなかなかに不評で、中には「過去一番最悪なマザーボード」とまで言われているのをみてしまいました。ここいらでなんとなく納得してしまう自分がいます。
最初から色々問題のあったMSI PRO X670-P WIFI

初めての自作PCということと、事前情報でAM5の初回起動は非常に時間がかかると言われていたので、それで問題に気付くのが遅れました。
このマザーボード、最初の組み込み時点ででは起動しませんでした。Windowsをインストールするところで何回もエラーが出てWindowsを入れられず、仕方ないのでBIOSアップデートもしております。初めての自作PCで最初から色々なところで躓く、ある意味とても優秀なマザーボード。BIOSアップデート後は無事にWindowsをインストールすることができました!
それからしばらくの間は快適な作業ができるようになり、色々な作品を描いていきました。ある時アニメを作り、その時にメモリ不足を感じてメモリを上記に記載したコルセアの64GBモデルに変更しました。そしてここからが地獄の始まりでした。
先ほども書きましたが、プチフリーズの頻発、USBの強制停止、頻発するブルースクリーン。不具合のオンパレードです。ここまで不安定なPCは初めて。

ただし普通に使用する分には問題ないので、PCに直接キーボードやマウスを接続して使う分には問題ありません。自分の環境ではMacと同時に使用しているので、マウスやキーボードなどの共通の機材をそのまま使用できるようにモニターに取り付けてあります。そのせいで起こってる問題でもありますが。
そしていよいよ信じられなくなったのでついにマザーボードの交換です。

今回新たに交換したマザーボードはこちら。ASUS ProArt X870E-Creator WIFIです。

質実剛健、安定性をとったら一番良いASUS!その中でもクリエイター向けのProArtモデルを選択しました。マザーボードだけで1.6kgほどもあり、CPUクーラーを取り付けるだけで2kg超えの重量級マザーボードになります。USBは全て高速、グラフィックボードからの出力をまとめてUSB-C一本にして機材と接続することも可能。至れり尽くせりなマザーボードとなっております。
そして他社メーカーへ変更ということもあり、SSDは全部のデータを消してからWindowsを入れます。これにより前々から起きていた不具合を解消し、さらに真っ白な状態で使用することで確実にプチフリーズを解消させる算段です。問題は設定が面倒になりますが、快適な作業を実現するためには仕方のない犠牲です。
色々と初期設定をしていき、いよいよクリスタをインストール。そこから仕事に使ってみました。が…、ダメ…!!
なんと、綺麗さっぱりの新品状態でもいつものプチフリーズが発生!しかも前のPCと同じように起きる…!何故!?
クリスタの設定見直し。そして定期的な自動保存を切る

これはX(Twitter)にて見かけたもので、クリスタの初期設定で最初から入っている自動保存機能を切るとプチフリーズが無くなるというもの。これの情報を頼りに試しに自動保存を切ってみました。(”保存をバックグラウンドで実行する”の項目)


するとプチフリの硬直時間が大幅にへり、たまに描いていると描けないタイミングがある、程度までに減りました。しかしこれ以上減らせることはないのでは…?と思い始めました。
実際Windowsだけではなく、快適に作業できているMacでも描き込み量が増えていくと同じように止まったりするためです。つまりある一定以上の描画量を超えると必ず起来てしまう可能性が高い、と判断しました。線画程度では起きることはありませんからね。
まとめ
クリスタのプチフリーズを解消するために機能の停止や機材の交換をして対策していきました。結論としては、クリスタを使用しており、ある一定以上の描き込みをするような人であれば必ず起こりうる問題であると感じました。PCの初期状態でも起こるのであれば、もはやソフト側の問題であるというのがわかるかと思います。クリスタ自体も定期的にアップデートしておりますし、そのうち解消されることを望みつつ付き合っていこうかと思っております。