
「絵で食べていこう!」と思う方はたくさんいるかと思います。しかし「どうやってお金を稼げばいいのか?」という疑問は多くあるかと思います。
そこで今回は絵でお金を稼ぐ方法や自分の実体験など、いろいろと書いていこうかと思います。
補足ですが、こちらはフリーランス向けの解説が基本になります。
稼ぐ2パターンの方法
絵を描いてお金を稼ぐ方法は2つのパターンがあります。”会社員”として会社の中で描いていく方法と、”フリーランス(自営業)”で描いていく方法です。もちろん他の職業でも基本的にこの2つしかありませんが、これが大きな違いとなりますのでまずは説明しておきました。
会社員の利点
- 定期的にお金が入る
- 仕事が無くならない
- 現在の最先端のイラストが見れる
基本的に会社に所属していればイラストを描く技術や要求に応える能力が上がり、そのまま給料も入りますのでいい事ずくめではあります。さらにソーシャルゲームなどに携わることができれば今のイラストの流行などもわかりますし、自身の身のためになることが多いです。
しかしそれは所属している間、という条件でもあり、実際に人に言われたことや人の指示に従って描く事が好きな人でしたら、会社員は向いているかと思います。
フリーランスの利点
- 自由に作品を作れる
- 自分の好きなタイミングで描ける
- 自分のやりたいことができる
フリーランス(自営業)の場合は、自分から動かなければ収入を得る事ができません。しかし、それと引き換えに「自由になんでもできる」状態にいるので、1日のうち半日だけ働くことや休むこともできます。そして何よりも自分自身の作品に力を注げる、というのが一番の強みでもあります。
しかし、フリーランスでは必ず収入が入るわけではなく、自分から営業をかけたり利益を作っていかなければなりません。もちろんそれは一筋縄でいくものではありません。また、収入がないので安い金額でも大量に引き受けなければならない状態になったりもしますし、そうなると仕事量の割に低収入になります。とても難しい問題でもあります。
そしてこちらブログを見ている方はこちらのフリーランス向けの話しが読みたいと思いますので、これから解説していきたいと思います。
フリーランスで稼ぐ方法
絵で稼ぐ、と言えば聞こえはいいですが、では実際にどう稼いでいくのか?それに絵で稼ぐと言ってもどう言った方法があるのか?など疑問も多いはずです。とりあえず一通り例を挙げていきましょう。
- 制作会社や個人など、相手からの依頼を受ける
- コミッションサイトで依頼を募集する
- 電子書籍などを販売する
- パトロンサイトを立ち上げて支援してもらう
- 即売会で同人誌などの販売
基本的にはこんな感じに分けられます。もっと細分化するのであればもう少し増やせるとは思いますが、やっていることは上記のものとなんら変わらないのでこれ以上は書きません。
次に絵を描くことの種類になりますが、3種類に別れます。
- イラスト
- 漫画
- アニメーション
イラストは美麗な一枚の絵を描いていくもの、漫画は物語やそれに合わせてコマや絵を描いていくもの、アニメーションは何枚も連続した絵を描いていき、キャラクターなどを動かしていくものです。それぞれ絵を描くことで一括りにされますが、どれも線画意外に必要なスキルが異なりますので、どれか一つできたからといって他ができるとは限りません。まずはこの中から自分の得意なものに絞っていくのが一番いいと思います。
やり方
依頼を受ける
今の時代、たくさんの絵の上手な人がいますので、自分から営業かけて依頼を受けるというのは厳しい状態になっております。イラストなんかは特にそうで、X(旧Twitter)でのフォロワー数が10万を超えてないと依頼しない、などの話しも聞いたりします。
また、漫画家を目指すのであれば出版社への持ち込みや月例賞などに応募、受賞してから読み切りなどを描き連載へと進んでいきます。こちらも技術や才能なども必要になるため、それだけに絞った場合だととても大変になります。
アニメーションを作りたいという方はアニメーターになるために会社に入り、またはある程度実力をつけてフリーランスになったりなど、どちらかというとイラストレーターに近いよう動きができます。また、最近ではVtuber向けのアニメ作りなんかもありますし、昔よりは受け口が広がっている印象があります。と言っても他もみんな増えているので、昔よりは稼ぎ易い環境が出来上がっているような気がします。
しかしどれにでも当てはまることで、まずは自分を知ってもらわなければ何も始まりません。
ですので、積極的にSNSを用いて自身の作品を発表していくことが大事になります。まずはイラストをアップしていき、それと同時にスキルアップとポートフォリオの作成を兼ねていくのが効率が良いかと思います。
必ずしも企業や大手の人からの依頼を求めるのではなく、個人間でのやり取りを積極的にできるようにしていくのが一番良いかもしれません。
コミッションサイトを利用する
自身の技術を売りにだし、それを気に入ってくれた人がお金を払って依頼してくるサイトのこと。
企業が間に入り、絵師と依頼主を引き合わせる役割や、企業が間に入ることで、問題が発生しにくくなっているため双方共に安心して使えるのが利点です。SNSをやっていない人であっても、サイトを見ることで出会いの場を増やせますし、基本的に絵を描いている人を探しているため個人で待っているだけよりも依頼を受ける確率が高くなります。
- Skeb
- pixivリクエスト
- ココナラ
- SKIMA
サイトに登録をしておけば、あとは自動で依頼が入ってくる環境が出来上がります。ただしイラストに対して設定価格が高すぎたりする場合は依頼が入ってこない状態が続いてしまいますので、自分の絵と世間の価値観を正しく測っていかなければなりません。安くすると依頼は増えますが、作業に対して収入が少なくなるデメリットはありますので考えものです。とはいえこういうサイトの場合、納品日数や納品数などで作者の信頼度を測りますので、“安く大量に納品し実績を積んだら価格を上げる“なんていう方法を取ることも重要になったりもします。実際コミッションサイトで大量に受注されている人を見ると、1枚5000円くらいで受けてたりします。コミッションサイトをメインに収入を得るのであれば、これも一つの正解だと思います。
電子書籍・電子データの販売
僕がメインでやっている活動の一つです。AmazonやDLsite・FANZAなどに制作した漫画を委託販売してもらう方法です。こちらはSNSでの活動なんかもほとんど当てにできず、こちらの販売サイトでの、自分自身の実力次第となります。他のものもいきなり世界を相手にするので大変ですが、こちらは画力や絵の魅力なども求められますし、直接お客様からお金をもらいますので非常にシビアです。「自分だったらこれにお金を出すか?」みたいな自己の評価も重要になります。一月に10冊売れれば良い方、みたいなことを言われていたりもしますし、1000部なんて夢のまた夢見たいな状態です。
ただ、一度売りに出しておけば制限なく売れるものなので「出せば出すほどお金が増える!」という考え方もできます。他の方法ではあり得ない状態に持っていけるのがこの方法。そして個人的にオススメするのがこの2つ。
- DLsite
- FANZA
両方ともにほぼ成年向けの内容になりますが、一般的な少年向け・青年向けのオリジナル作品を作るよりは圧倒的に売れる確率が増えます。逆に言ったら一般向けはほとんど売れませんので、どちらかというと趣味で描きつつフォロワーさんを増やしていく方向に近いです。
両方共に成年向けの同人誌が売る物のメインになりますが、両者では求められる絵柄が異なりますので、自分に合わせた方で調整していくのが良いかと思います。DLsiteなら年齢層の低めのキャラでデフォルメされてる方が好まれる印象、FANZAは逆で年齢層の高のキャラで青年誌のような絵柄が好まれると思います。もちろん違うから売れないというわけではなく、比べるとだいぶ差が出るくらいで売れるには売れます。なので基本的には両方共に申請し、売り出すだけ売りに出しておくのがベストです。
余談ですが、上記の2社以外にも電子書籍等の委託販売できるサイトは何箇所かありますが、正直ほぼ売れないのでそこまでやる必要はないかと思います。場所によっては5冊売れれば売上ランキング2位にもなれるくらい売れてる数が少ないので、あまりオススメはしません。少しでも回収したい!という気持ちがあるのなら止めはしませんが…。
また、これはイラストとは関係ありませんが、このような委託販売サイトであればイラスト意外、ASMRやインディーズゲームも販売できますので、オリジナルのゲームを開発して販売するなど、いろいろなこともできるので、そういう意味でもオススメです。
パトロンサイト
いわゆる支援サイトのこと。自分でコンテンツを作りそれを見てくれる、もしくは作っている最中のものなどをアップしていき支援してもらうというもの。簡単にいうとサブスクとクラウドファンディングが混ざったようなもの。
内容は自分で決めるものですが、僕なんかは1週間にカラーイラスト1枚(差分も作り30枚〜)上げることを目標にし、時々漫画の制作途中の話などを載せています。毎週描かなけれならないので構図やらシチュエーションなども出し切ってしまい、色々と大変なことも多いですが5年以上続いています。支援サイト向けに毎週カラーイラスト描くことで技術力も上がりますし、ネタがない時に無理やり捻り出す力や力不足でどうしようもないイラストを無理やり魅せられるイラストに持っていく技術など、実用で重宝するスキルが多数手に入りました。
また、イラストは貯めていけばSNSでの認知度アップにも貢献できますし、何よりイラストをまとめたものを委託販売サイトで売ることもできるので、無駄がなく良いことづくめになります。ただし自分を無理やり追い込んで作業する必要がありますので、結構精神的にまいってしまう時が多いです。フリーランスだけど休めないフリーランスになりがち…。
ちなみに日本でのパトロンサイトこちらがメイン
- pixiv FANBOX
- Fantia
- Ciーen
今のメインはpixiv FANBOXで次にFantia、そして最後にCiーenになります。今現在ネットで話題になっているクレジットカードの決済問題(成人コンテンツでは使用不可)で利用者が半減してしまったために、昔ほど収益を出せるものではなくなってしまいました。実際クレジットカードで支払いしてた人達にとっては“決済できないならやらないという人も多い“ですし、わざわざコンビニ決済とかはしないので仕方のないことではあります。ですがやらない理由は少なくないので、基本的にはやっておいた方がいいものです。とは言えコンテンツの内容次第。ちゃんと支援してくれる人のことを考えてしっかりコンテンツを充実させていくことを頭に入れておきましょう。
即売会で同人誌などの販売
絵を描いている人なら誰でも知っているでしょうコミックマーケットやコミティアなどの同人誌即売会での同人誌販売。正直利益を出せるかと言ったら微妙なところですが、実際に人に会ってやり取りをする経験もできますし、自分の知らないイラストレーターや漫画家さんを見つけることもできるので楽しいところです。
同人誌のほかにもオリジナルのグッズや自作のゲームなんかも頒布されています。いろいろなものを出せるという意味では電子データの販売と変わりません。
そのことからもわかるように、即売会で印刷した同人誌を頒布し、後日委託販売と電子データの販売をしていく流れが今の主流になります。また即売会で色々と探す人もいらっしゃいますし“現実での宣伝“として参加するもの良いと思います。僕はどちらかというとそういう意味での参加をしています。
とは言えネットと現実を繋ぐ役割としても大きく、実際に何名かのフォロワーさんにも会ってお話したこともありますし、色々と意見も聞けたりリアルイベントの楽しさを体感できます。まあでも今までのものと比べると出費が非常に大きくなりますので、利益を求めるだけならネットで有名になってからでも十分だと思います。その時にまだイベントが残っていればの話ですが。
一次創作か、二次創作か
電子書籍・リアルのイベントで本を販売するとして、オリジナルか二次創作かで悩むかと思います。もちろん描きたいものを描くべきなので、描きたいものを描いて販売するのが一番なのですが、二次創作に限って言えば著作権がありますのでしっかりと調べることは調べてからやらなければなりません。
というわけでオリジナルと二次創作のメリットとデメリットのお話しです。
一次創作(オリジナル)
自分自身が産み出した創作物故に全ては自分自身の思うがまま、最高のコンテンツが一次創作です。二次創作と違い他人の顔色を伺ったりする必要はありません。まさしくあなたが作り出した作品、誰も何もいうことを許されません。それほどまでに強力なもの、それが一次創作。
何をやっても良い、自分の世界を思う存分描き出し、全ての人を魅了させる。無から有を産み出す最高に楽しい、神の一手!
しかし一方で誰も知らないキャラクターをどうやって自然に魅力を伝えるかは作者の技量次第、いきなり最上級の難易度が迫り来る…!
というわけでメリットについて
- 著作権を気にする必要がない
- なんでも自由に作れる
- 作れば作るほど売れる
最大限の自由、故に書けることも少ないけど実際著作権を気にしないのが一番大きいです。
デメリット
- 人に魅力を伝えるのが難しい
- そもそも手に取ってもらえないづらい
- 最初のうちはほとんど利益にならない
- 画力は必須
があげられます。オリジナル作品という特性上、絵に魅力がなければまず手に取ってもらうことはありません。なので画力が大事。あとはフェチ。その次に作品を読んでもらうも合う合わないで次につながらなかったり色々。そしてそこからくる最初のうちは利益がほとんど出ない。そもそも手に取ってもらえないので仕方のない話ではあります。
ですが一次創作に限っては一次創作者ということを全面に押し出して認知してもらうことで、次の作品、また次の作品と出せば出すほど売れていく可能性が増えていくのが特徴。実際僕はこの状態を予測し、やればやるほど自然と収益が増えるように計算して今まで活動してきました。もちろんそれが正解でした。
ただし、一次創作の特性上絶対売れることはなく、運の要素も結構大きくありますので安定した収入を得るのは難しいところです。かわりに想定外のタイミングで売上が上がったりもしますので面白かったりもします。
二次創作
市場に出回っているさまざまな作品のキャラクターや世界観を引き継ぎ、自分の考えた世界を構築していくのが二次創作になります。基本的にそのキャラクターを知っているからこそ、そのキャラを求めて手に取る人が多いので、有名な作品であればあるほどにその二次創作を求める人も増えていきます。
しかし、その一方で著作権は作者や企業が持ち合わせているため、基本的に二次創作のもを勝手に売ることはNG。同人誌即売会などでは印刷費やイベント出店時の費用の回収、という名目で目を瞑ってもらっている状態です。
ただしソーシャルゲームなどでは二次創作の規程がもうけられているものもありますので、しっかりと規程を読み、規程から逸脱しないよう活動することが必要となります。なので一次創作と違い制限が厳しく、自由に動くことはできません。
メリット
- 手に取ってもらいやすい
- 画力は低くても印刷費の回収はしやすい
- 流行りのものなら爆発力が高い
現在進行形でアニメの放送をされているものなどは受けがよく、非常に伸びやすい傾向があります。また、マニアックな作品では固定の作品ファンも多く存在しているために、伸びはなくても一定数は出ていく傾向があります。そういう作品は一次創作に近い部類ですが、あちらと違って一気に伸びたり人気になることは少ないので、趣味以上を求めてやるのはやめた方がいいです。
デメリット
- 見てもらえるのは流行ってるときだけ
- 次の流行を毎回追いかける必要がある
- 電子書籍で出していたとしても最初以外は伸びない
- 急に公開停止される
作品の人気に乗じた売上の爆発力は非常に強力ですが、それ以降は基本的に虚無です。一次創作と違って貯まれば貯まるほど売上が上がる、みたいなのはまずありません。そもそも好きな作品がいっぱいある人はそう多くはないので。
また、二次創作の特性上毎回違う作品を追いかけ、さらにそこから自分の作品を作り上げていくため、自転車操業になりがちです。さらに問題なのは、あなたの本を買ってくれる人は作品のファンであってあなたのファンである可能性は低いです。そのため、オリジナルの作品を出したところで必ずしも同じように売れることはないのです。二次創作の伸びを知っている状態で全く売れないオリジナル作品を見てしまったら、想像以上に落胆することになり、また二次創作へと手が伸びてしまいます。
アニメや流行を追いかけるのが好き、という人出なければ続けていくのが難しいのが二次創作の一番のデメリットかもしれませんね。
そして生殺与奪の権利を著作者が持っているため、いつどのタイミングで差し押さえられるかもわからなというのが大きな爆弾となります。非常に稼ぎやすい一方、非常にリスクがあるのが二次創作になります。
まとめ
今回は絵でお金稼ぐ方法ややり方、それに伴うメリットデメリットなど書いていきました。僕自身は一次創作オンリーで活動し、定期的に絵をネットに上げつつ自身の作品をためつつ、売りに出せるものの数を増やしたり、漫画を描き続けて作品をため続けることで、ある意味での不労所得を増やす方法を取っています。
自身の作品を多く公開することによって得られる副産物もたくさんあり、絵や漫画を見てくれた人からさまざまな依頼を受けてきました。作品を貯めつつ見てもらえるタイミングを多く作り、それによって得られる出会いも大切にしていけばできることもどんどん増えていくと思います。
そして自分の夢に向かって、太く長い人生を楽しく送っていきましょう。