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CLIP STUDIO PAINTのプチフリの原因、ついに判明!

WindowsPCを使用しCLIP STUDIO PAINTで絵を描いていると定期的に起こるプチフリーズ、数年間悩まされていましたがついに原因が判明しました。それに伴う解決方法や、その他の解決までにやったことで効果があったものなども合わせて記載していきます。

ネットにある解決案を手当たり次第試す

まずはネット上に転がっているものを試しました。と言っても一回クリーンインストールして再度最初からPCを構成しているので、数年使ってたら遅くなったパターンは除外しております。なのでクリスタのアンインストールからの再インストールなどはしておりません。データ自体を初期化し、真っ白な状態でプチフリーズが起きているのでそもそも条件が異なっております。

プチフリ解決に奔走してた時のお話はこちら

様々な解決案を試す

やることは基本的にクリスタのメモリ関係をいじったり、USB入力機器の干渉を抑えることをしました。まずやったのはクリスタのメモリの使用量でネットで見つけたのは二つ。

  • メモリのアプリへの割当量を増やす
  • メモリのアプリへの割当量を減らす

❶まずはメモリのアプリへの割当量を増やす方から。

ネット上では、プチフリ等起きる場合はこの「メモリのアプリへの割当量を増やす」ことを最初にやるように指定されることが多いです。アプリへの割り当てが増えることで重い作業時に優先的にメモリを使用できるため、負荷の解消には最適な方法です。クリスタの初期設定ではだいたい70%ほどですが、重いようでしたら80%~90%くらいに設定しておくと若干速くなります。また、取り消し回数もおければ多いほど負荷がかかるので、「100回」を基準に自分の使用する範囲で数値を変えておくと安定しやすいです。割り当ての範囲は最大100%まで設定可能ですが、それをやると逆に重くなる場合もあるので非推奨になります。理由は次の内容で。

❷次にメモリのアプリへの割当量を減らす方

こちらは先ほどとは逆で「アプリへの割当量を減らす」方法です。何故プチフリが起こるのにメモリの割当量を減らすのか?答えは単純で「PC自体が重くなっているために動かない」からです。これはPCのスペックが低い場合に起こりがちですが、PC自体のスペックが低いためにそもそも起動してるだけでもいっぱいいっぱいな状態のものがあります。そのためクリスタを使用して絵を描いていた場合、Windows+クリスタのメモリ使用量ですでにいっぱいいっぱいになている状態。ただでさえ重いのにクリスタのメモリの割当量を増やしてしまったらどうなるのか。そうです、PC自体が止まります

そうでなくてもアプリケーションにメモリを割り当てすぎるとこのように限界ギリギリを維持してたり、100%になってしばらくは動かなくなります。なのであえてメモリの割当量を減らしてWindows自体の動きを軽くしてプチフリを減らそうということ。まあ正直メモリの設定をいじってるような状態だったらそもそも描いているものに対してPCが追いついてきてないので買い替えた方が幸せになると思います。とは言ってもぽんぽん買い替えられるような人はあまりいないのでやりくりする必要のある人はメモリの設定や取り消し回数、キャッシュの削除なんかはやるといいと思います。

もちろん僕の場合はこれで解決はしませんでした。

USB入力機器が悪さをしている?

関係のない話ですが、趣味でPCでゲームをすることがあります。そしてPCゲーム、特にモンスターハンターシリーズ(ワールド・ワイルズ)ではコントローラーの入力ができなくなり、ずっと一定の入力をし続けて操作不能になることが定期的にありました。そうなった場合、一度再起動しないと治ることはありません。ここで気になったことは、操作が不能になることでした。「何故操作ができなくなるのか?」「何故モンハンだけこの状態になるのか?」とうのは今回は関係ないので省きますが、最終的にはX(旧Twitter)で「無線マウスを使ってない時に入力機器がセーフモードに入り、操作不能になる」というのを見かけて「もしかして…」と思い色々と探してみました。そしたらWindowsの使用上、一定時間以上触っていない無線接続の入力機器は省電力化にともない自動でセーフモードに入るようでした。

なのでUSB機器、特にマウス関係の電源が自動で切れないように設定を変更して様子をみることに。するとどうでしょうか、今まで起きていたプチフリーズの回数が大幅に減りました。

どうやらセーフモードに入るとペンタブレット等他の入力機器にも影響がでるようで、それによって描画時に定期的に動きが止まっていたようです。そのため有線マウスを使っている場合はセーフモードに入らないためにこのような現象が起きないのでした。

しかし回数は減ったとしてもまだまだプチフリは起こります。なので根本的な解決にはなっておりません。

たまたま見つけた本当の原因

最初のメモリの割当量のお話で、メモリ容量を増やしすぎると本体の負荷が増えて逆に重くなる、というのを説明しましたが「もしかしたらこれが当てはまっていたのか…?」などと間違った判断をしたことが結果として正解に辿り着く鍵となりました。ハイスペックPCで組んでるのにただの2Dペイントソフトがプチフリを起こすほど重くなることなんてあり得ないのです。

というわけで間違えた答えを持ってメモリの割当を減らしました。が、そこで目についたのがこちら。

『仮想メモリ作成先』です。

PCのCドライブが残り150GBくらいしかなかったのでバックアップ用の容量多い方を仮想メモリに割り当てた方がアプリへの割当も最大限まで使えていいのでは?と思って変更しました。そうしたらなんとプチフリがピタリと止まりました

たしかに新しくPCを組む前のミドルスペックBTOPCではプチフリなんか起きたこともなく、中身を全部変更したときに今まで使ってたものは補助要員として割り当てていましたが、まさかプチフリの原因がSSDにあるとは思ってもみませんでした。

そうです原因はソフトではなくハード

というわけでプチフリの原因になっていたSSDがこちら。

WESTERN DIGITAL WD_BLACK SN770です。

書き込み・読み込みも速く、さらにはゲーミング用途でも使うために品質の良いSSDとなります。前々まで使っていたSamsung 980 PROと比べたら理論値は遅くなりますが変わらないようなスペック。基本的にはこれを選んでおけば間違いないような製品の一つです。ですが、クリスタで使用する場合にはプチフリを起こす原因となっていました。何故でしょうか?

憶測のはなし

ゲーミングPCを含め、自分の環境では3社のSSDを使用しております。一つ目はSamsung、二つ目はWestanDigital、三つ目はCrucialです。そしてそのうちプチフリを起こすSSDはWestanDigitalのみ。違いは一体なんだったのでしょうか。

個人的に考えているものがDRAMの搭載の有無

厳密にいうとCrucialもDRAMは非搭載ですがメインメモリの一部をDRAM代わりにする機能が組み込まれているらしい。SamsungはDRAM搭載モデルなので、この二機種はDRAMを持っていると考えて問題はありません。

しかしWestanDigitalのSN770はDRAMは搭載されていません。もちろんDRAMの有無で大容量の転送などでの時間の差は出てくるとは思いますが、数百GBのデータのやり取りをしないのであれば関係ありませんし、DRAMが無い方が転送時間が早い場合もあるので一長一短な感じ。動画の移動をするならあった方がいいかなぁ、といったようなものです。なので正直イラスト程度では無関係、なはず…。

実際にSamsungのSSDに変えてみて

どうもクリスタはアイドル状態でも定期的にSSDに書き込みか読み込みのどちらかをしているような動きがあります。一瞬ですがSSDは必ず動きますので、何かしらデータの保存やら読み込みをしている感じがあります。もしかしたらこういった小さいデータの連続したやり取りに対して、DRAM搭載モデルは速攻でデータを移動できるのでフリーズしないのかもしれません。もしくはSN770自体がこうした小さいデータの連続したやり取りみたいなのが不得手なのかもしれません。これはもうSSDの特性なのでこちらでは対処できません。ですが、一応仮想メモリ先をDRAM搭載SSDに変更するだけでもちゃんとプチフリは無くなるので、もしSN770を使っていてプチフリに悩まされている方がいましたら、そのまま他のSSDをバックアップ用として組み込みつつ仮想メモリ先に指定して使ってくのもアリです。メインのSSDを交換するのはちょっと面倒ですからね。

とはいいつつ僕は実験としてメインのSSDを変更してみることにしました。画面を切り替えた時にたまにフリーズするのでちょっと気になっただけです。

新調”Samsung 990 PRO 2TB”

実験がてらメインSSDの容量も少なかったので今回は2TB、そしてすでに実証済みの980PROの後継機である990PROを選択しました。もっと安いモデルもありましたが、そちらはDRAM非搭載だったので割高ですが990PROを選びました。

SamsungのSSDは専用のコピーソフトである「Samsung Magicia」が使用できるので、SSDのクローンを作るのが簡単です。外付けのクローン作成機器を買う必要もなく、マザーボードのスロットに差し込みWindows上でコピー可能。終わったら入れ替えて実際に起動するか確認するだけです。

中身はこんな感じ。紙の箱に入ってます。今回はAmazonプライム感謝祭セールで購入。18,980円で買えました。2TBで2万円以下なら比較的安い方。スペックや安定性も高いのでオススメの1台。

クローンを作る上で間違ってバックアップのデータを消さないようにもともと入れてあった980PROを一旦外しておきます。そしてメインのデータを990PROにコピーしました。800GBくらいですが、SSD同士のやり取りなので10分くらいで終了。快適ですね。コピーが終わったらSSDを入れ替えてBIOSで起動するSSD順番を変更し、一番最初に読み込むようにします。

ついでに今まで使っていたものはバックアップ用に差し込んでおきました。こちらは動画や3DCGをやる時の保管場所として使おうかなという感じ。クリスタでは間違っても使いません。

990PROに入れ替えてから仕事をしていますが、基本的にフリーズは起こらず。メインもWD SN770から変わったことで画面を切り替えた時のフリーズも減った気がします。ただフリーズが発生しやすいタイミングみたいな時もありますが、その時はPC自体の動きも悪い感じ。どうもここいらはAMD製品の問題が関係してきそうですが、それはまた別のお話。そのうち液タブのUSBが途切れる不具合についての解決方法も記事にしたいところです。

まとめ

今回はついにクリスタに起こるプチフリーズを完全に解決することができました。原因はWestanDigitalのSSDであるSN770でした。おそらくクリスタに限ってはDRAMを搭載しているSSDの方が有効な可能性があります。なのでもし今SN770を使用してプチフリに悩まされている方や新しくPCを組もうと思っている方がいらっしゃいましたら、DRAM搭載SSDを選ぶことをおすすめします。

自分の環境がAMDで揃えているのもあり、Intelだと起きなかったりはたまた違うところで問題が起きるかもしれませんが、それについてはわかりかねますのでSSDの変更をする場合は自己責任でお願いいたします。

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