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オリジナル作品でコミケにでたら失敗したお話

8/11・8/12に開催されたコミックマーケット104にオリジナル作品で初めて参加したらいろいろと失敗したので記録として残します。失敗の条件はもちろん”作った同人誌がほとんど余った状態”のことになります。

個人的な記録としての側面が強いために読みづらくなっているかもしれませんので、気になった方は下の方にあるまとめや反省点のところだけでもみてもらえたらと思います。

基本的にオリジナル作品のことについて書き込んでいますが、二次創作でも当てはまるところはあるんじゃないかなとも思っております。

初めてのオリジナル作品

趣味で二次創作をしていた時とは違い、フリーランスになってからは主に一次創作をメインにいろいろなイラストやマンガを描いてきました。

もちろん画力非常に高い方や元々会社などでイラストを本業にしていたような方でしたら、フリーランスになっても企業から依頼をもらったりできるかと思いますが、僕は全く違う業種で働いていたので業界とは何もつながりがなく、また、画力もそこまで高い技術力はもっておりませんでした。

そのため、基本的には成人向けのイラストを描いて支援サイトを運営したり、DL同人などでマンガなどの販売で収入を得る方向をメインに活動することにしました。ですので、今回のサークル参加したオリジナルの作品も、そちらの方面のイラストになっております。

フリーランスで活動を開始してから約5年ほどネット上で活動をし、それまでにカラーのイラストが300枚を超える数を描いてきました。年月が経ち、比較的安定して収入を得ることができるようになったので、今回はネットにあげているイラストをまとめて出してみようと思いサークル参加をしました。

過去には二次創作で参加していたこともあり、それもあって今回は大きく失敗したのだと思います。

当日のスペースにて

今回のイベントでは張り切っていつもより多めに刷っています。オリジナルなのに二次創作の時よりも多いうえに、そもそもの本の厚みが違うので箱も大量にありました。濁すのもなにか変なので数を出しますが、300部あります。

数だけならまだしも、1部あたり1cmあるので積み上げれば3mの高さになる量です。

机の上はこうなりました。一箱に40部入っていたので全部出してこうなってます。とても高いですね。

本の構成は、

・フルカラー168p(表紙・裏表紙込み)

・表紙:サテン金藤180kg

・中:マットコート紙90kg

・イラスト点数約180点収録のオリジナルのイラスト集

になっております。

サテン金藤のPP加工(マットコート)は非常に上質で素晴らしい質感でしたので、本としての完成度が高くなり非常に気に入りました。次回もやるならサテン金藤にしたいところですが発注した印刷会社さんではオフセットのみ選択可能なようです。

ちなみにこちらは初めてコミックマーケットに参加した時です。60pくらいのマンガなのでこちらも同人誌としてなら太い方ですが今回作ったものに比べたら半分以下の薄さになってます。

当日のスペースの様子。

一応表紙は健全(?)なのでぼかす必要はありませんが一応ぼかしをいれてあります。ポスターも用意し、色紙も2枚描いてきて準備万端です!

この時はまだ不安もありましたが希望もあった状態です。結果ですが、この見えてる量が捌けて終わりです。

8箱あった箱は7箱残って初めてのオリジナル作品での出展は終わりました。悲しいのでそのまま全部委託しました。

失敗した理由

今回でコミックマーケットのサークル参加は6回目になり、そのうち5回は二次創作になります。この時の頒布数は平均で150部前後でした。もちろんコロナ前と後で捌ける量は減ってますが、コロナ禍でも120部〜といった数は出ていました。コレも失敗した理由の一つになります。

失敗をした考え方

最初でも言っておりますが今は一次創作をメインに活動をしており、それからは今までと違うアカウントを作成しSNSも運用しております。

そしてSNSや支援サイトでのフォロワー数は二次創作をしていた時とは比べものにならないくらいに増えておりました。大体以下の数字となっております。


一次創作二次創作
Twitter・Pixivフォロワー数5000016000

この図のように、参加する時までのフォロワー数の合計は大体3倍の差がついている状態になっております。過去の頒布数から見て、いつも通りでいけば

フォロワー数➗100=頒布数

となっているので、いくら一次創作は数が出ないとはわれていれもそこそこは出ると考えていました。

印刷物数

サークル参加する上で同人誌は必須ですよね。そこでみんな頭を悩ませるのが内容やページ数よりも印刷数だと思います。実際問題一次創作なことを踏まえても印刷数に関してはかなり悩みました。

オリジナルなのでフォロワー総数の1%も出ることはないと思いつつも、二次創作よりもフォロワー数も多いし、DL同人もそこそこ売れているので二次創作時代よりも認知度は高いと考えており、印刷費も250部と300部では1万円しか違わなかったので、欲しい人の手に必ず渡るようにと多めに刷りました。

実際、コミックマーケットで全て出ていくとは考えておらず、余った分は委託に回すつもりだったので余計に多くした感じです。

あと料金ですね。オフセットでの印刷の場合は部数が少ない場合は割高になりますが、数が多ければ多いほど1部当たりの印刷費が下がっていきます。ある一定数印刷するのであれば、それ以降はあまり印刷費が変わらないので少し追加で課金するだけで数100部増やすことが可能です。もうこれは本当に罠

“欲しい人の手に必ず行き渡る量+部数を増やしてもさほど印刷費に差がない“

という考え方が無事に失敗に繋がる形となったのです。

ページ数と頒布価格

同人誌を作るうえで何ページの本にするのか、そのページ数や内容からどれくらいん頒布価格に設定すればいいのかなど、悩むことが多いかと思います。個人的な考えではありますが。

モノクロマンガ:32p〜 500円

フルカラーイラスト:24p〜 500円

と考えており、ページ数が倍になれば頒布価格も倍になっていくと思っております。

今回はページ数はフルカラーの168pなので、上記の数字を7倍してもらえれば価格が出せます。そうですね、高いですね。

“やればやった分来る人が増える“という間違った考え

毎回サークル参加するときは色紙を描くようにしておりますので、今回も描いてました。名前が違いますが成人向けの方のペンネームになってますのでご心配なく。

今回は色紙2枚にタペストリーを1枚持っていきました。こういう限定アイテム的な物は喜んでもらえますし、先に持っていくことを告知しておけば宣伝にもなりますのでいい事づくめです。きっと来てくれる人も増えるはずです。

わかっている方はもうわかっているかとは思いますが、これも失敗の一つになります。これ以上長く書いても仕方ありませんのでそろそろ失敗理由をまとめます。

やって失敗したことまとめ

  1. 二次創作時代の頒布数を考慮して考えた
  2. 印刷部数を増やしすぎた
  3. ファングッズを増やして広告として使った
  4. 頒布価格
  5. 勢いと油断

解説

1.二次創作の頒布数を計算に入れ、それを元にSNSのフォロワー数から計算し、大まかな予測を立てた。フォロワー数の多さもあり、ある程度考えが甘くなっていた。

2.欲しい人のところに必ず行き渡らせることをメインに、委託も視野に入れた状態で上記の計算と印刷費を考慮し多めに印刷した。最初は200部くらいの予定だったものの、あんまり価格が変わらないのとオリジナルでどこまで出るのかわからなかったので勢い300部に増やしてしまった。

3.ファングッズを増やして告知した。告知すればするほど人の目に届く回数が増えるのでやってる戦略としては間違いないとは思います。ただファングッズというものはどちらかというと新規向けではないのですでに間違っていた。

4.今回は168pと非常に分厚いフルカラーのイラスト集。印刷費も今まで見たことのないような金額に膨れ上がっています。24pくらいのフルカラー本で500円くらいなのでページ数が7倍なので頒布価格も7倍に設定しました。高い。でも二次創作だと手に取ってくれる人がいる価格帯なのは知ってる。

5.ノリと勢いで部数を決め、「きっとこうなるだろう」という思い込みで戦略を立てた。そもそも前提が間違ってたので全部ダメになった。

一言で言うと全部間違えてたのが今回のサークル参加でした。

まずフォロワーは確定のファンではありませんし、プロのイラストレーターの描いたイラスト集が同じ価格で販売されている今の時代に、無名の人のイラスト集をその場で見てお金を出してくれる人はほとんどいません。見本誌を見てくれる方は結構いらっしゃいましたが、そこで終わってしまうことが殆どでした。

単純に頒布価格が高すぎた、という見方もできます

失敗の定義としては余りまくっている状態のことだと考えていますので、たくさん出ればそれは成功ということになります。極力頒布価格を下げるのが正解なのかもしれません。

反省を踏まえて次回に備える

まず前提として、コミックマーケットに参加して来られる方は基本的にはこちらの存在すら知らない、つまりは新規の方ということになります。その新規の方たちに手に取ってもらうにはどうしたら良いのか?というのを考えていかないといけません。

つまりはどれくらい出るだろうか?、という計算事態はする必要があり、そこからおおよその数字を出したら今度はどうやって手に取ってもらうところまでやるのかを考える必要がでてきます。

今回最初に出した頒布数予想は100部と予想しておりました。実際見本誌を見てくれた方の数ダケ見るのでしたら大体100前後でしたので、この予想は間違っていない、という状態です。

そこから次の段階にいくのに最大の障害が頒布価格でした。見本誌を見てもらっても、価格が高ければほとんどお金を出してくれる人はいません。コミックマーケットでいろいろ物色しようと考えている人も多いと思いますが、もちろんそれぞれの持ち出しているお金は上限がありますので、それを圧迫するようなものを出してまで買うことはないからです。

逆に言ったら金額に対して内容が充実していれば手に取ってくれる可能性は高くなるということです。

また、イラスト集などの流し見ができるものよりもマンガなどのストーリーがあるものの方が手に取ってもらいやすい、というのもあるとは思います。ですので、オリジナル作品で出展する場合の考え方で大事なものをまとめてみます。

  • ページ数は多すぎず、頒布価格は低め(紙幣でも硬貨でも1枚で交換できればスムーズで良い)
  • 部数は少なめで20〜50部、多くても100部程に。
  • 新規ファン向けに名前を知ってもらう方向で同人誌を作る。(分厚く高額は避ける)
  • 委託分はコミケが終わってから考える。
  • グッズは基本出ないが、結局のところ頒布価格だと思う。
  • オリジナルは出さない。(もしくは固定ファン向けの極小部数にする)
  • オリジナルでやるならネット上がメインでコミケは宣伝の形にする。

まとめ

コミックマーケットで初めてオリジナルの作品を持ってサークル参加しましたが、作った同人誌はほとんど残ってしまいました。しかし、何がいけなかったのかを推測し、次回の参加に備えてどういう考え方で、どうやって頒布数を増やすかを考えて仮説を立てました。

印刷数の多すぎや頒布価格の上げすぎ、参加者がどういう層なのかなどを考え、次回は少部数で頒布価格は少なめにし、様子をみつつ次へと活かしていきたいと思いました。

DL同人や支援サイトでもなんでもそうですが、こういうものは仮説を立てて試すの繰り返しでやり方を掴んでいくことが大事だと考えています。

次回のコミックマーケット105も申込はしましたので、今回の失敗を踏まえて次回に活かしていきたいと思います。

追伸

昔とは違い今の夏のコミックマーケットは暑さが地獄なので、初めての参加なら冬の方がおすすめです。館内の空調が改善されたら夏の参加もいいとは思いますが、参加する場合は携帯扇風機やクーラーボックスに氷など、体を冷やすものを持って行った方がいいと思います。

何よりも体が大事なので、体調を優先して参加し、無事に帰ってきましょう。

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